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京都 懐石料理|油目 焼霜造り|祇園 華舞
2026.08.1

夏の盛りを迎える頃になると、春から初夏へと移ろった季節の記憶が、少しずつ遠くなっていきます。
8月の初めに振り返る、水無月の一皿。
油目の焼霜です。
油目は、アイナメの別名としても知られる魚です。春から初夏にかけて味わいを深める魚の一つで、京料理においても季節を感じさせる食材として大切にされてきました。
今回の向付では、その油目に焼霜の仕事を施しています。
焼霜とは、皮目を直火などで炙り、表面に香ばしさを生み出す仕事です。
魚は、ただ生でいただけばよいというものではありません。
その魚が持つ皮の香り、脂の質、身の食感を見極め、どこまで火を入れるのかを考える。
皮目には火の香ばしさをまとわせながら、身には生の持ち味を残す。
そのわずかな境目を見極めることが、焼霜という仕事の大切なところです。
向付は、会席料理の中で季節の魚介を生かし、その味わいを静かに伝える一品です。
だからこそ、調理技術を前面に出しすぎるのではなく、食材そのものの持ち味をどこまで引き出せるかが問われます。
料理人が目指すのは、食材を別のものへ変えてしまうことではありません。
生産者様や漁師様から託していただいたものと向き合い、その命が持つ本来の味わいを損なわないよう、最もよい状態へ整えていただく。
その積み重ねの先に、都伸廣様が大切にされている「身体に染み渡る美味しさ」があるのだと思います。
6月に撮影したこの一皿を、8月の初めに振り返る。
そこには、旬を追いかけるだけではない、日本料理ならではの時間の感覚があります。
走りには走りの味わいがあり、
盛りには盛りの力があり、
名残には、過ぎゆく季節を惜しむ味わいがある。
料理を通して季節を知り、季節の移ろいを感じる。
それもまた、日本料理が長い年月をかけて伝えてきた文化の一つです。
祇園華舞では、一日一組様の時間に心を尽くしています。
それは、一組だけを特別に扱うということではなく、その日、その季節、その食材と向き合い、その一席のために料理を整えるということ。
水無月の油目を、8月の今、改めて眺める。
過ぎた季節を惜しむような一皿の記憶もまた、一期一会の御馳走の一部なのかもしれません。
料理を通じて、季節を伝える。
そして、先人から受け継いだ日本料理の文化を、次の世代へつないでいく。
祇園華舞が大切にしているのは、目の前の一皿だけではありません。
その一皿の向こうにある、季節と文化と、人の手の仕事までをお客様に感じていただくことです。


都 伸廣が華舞の屋号を引継ぎ【一日一組様の貸し切りでお迎えする日本料理店】
祇園 華舞は「一期一会の御馳走」を通じて、作り手と食材、
そしてお客様の心を繋ぎ、感動を提供し続けます。
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