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京都 懐石料理| 重陽の節句 菊酒|祇園 華舞
2026.09.19

秋の気配が少しずつ濃くなり、夏の名残の中にも、季節の移ろいを感じる頃となりました。
日本には、季節の節目を暮らしの中で大切にしてきた文化があります。その代表が五節句です。人日、上巳、端午、七夕、そして重陽。なかでも重陽は、九月九日という数字の重なりから名付けられた節句で、古くから菊と深い関わりを持ってきました。
重陽では、菊酒をいただいて邪気を払い、長命を願う習わしがありました。中国から伝わった風習は平安時代の初めには日本にも取り入れられ、宮中では観菊の宴が催されたと伝えられています。
現在の暦で九月九日というと、まだ暑さの残る時期です。しかし、重陽はもともと旧暦の九月九日を指し、現在の暦では十月頃にあたります。菊の花が美しく咲く季節であったことから、「菊の節句」とも呼ばれてきました。
だからこそ、菊酒というものには、単に菊の花を酒に浮かべる以上の意味があります。
菊を眺める。
菊の香りを感じる。
酒とともにいただく。
そして、これからも健やかに過ごせることを願う。
季節のものを口にするだけではなく、花と酒と願いをひとつの時間として味わう。そこに、日本料理の背景にある歳時記の豊かさがあります。
京都では、重陽にまつわる「菊の着綿」という風習も伝えられてきました。重陽の前夜、菊の花に真綿をかぶせ、翌朝、その綿に移った夜露と菊の香りを身に受けて無病息災や長寿を願うものです。
一輪の菊をめぐって、花を愛で、香りを感じ、酒をいただき、身体の健やかさを願う。
こうした文化を知ると、季節の料理や一献の酒も、単なる食事ではなく、日本人が長い年月をかけて育んできた暮らしの一部として見えてきます。
祇園華舞では、料理を完成させることだけを目的にはしていません。
全国の生産者様、酒蔵様、漁師様、職人様から託していただいたものに向き合い、その季節にふさわしい姿へ整えていただく。その積み重ねの中で、料理とともに日本の四季や節句、その背景にある文化まで感じていただける時間をつくることを大切にしています。
一日一組様に心を尽くす時間だからこそ、目の前の酒一杯にも、長い歴史の中で受け継がれてきた意味を添えることができる。
日本料理は、味だけで伝えるものではありません。
季節を感じ、文化を知り、先人の願いに触れる。
その時間そのものが、一期一会の御馳走になるのだと思います。
重陽の節句に菊酒をいただくという、小さな習わしの中にも、日本料理が未来へ残していくべき文化が息づいています。


都 伸廣が華舞の屋号を引継ぎ【一日一組様の貸し切りでお迎えする日本料理店】
祇園 華舞は「一期一会の御馳走」を通じて、作り手と食材、
そしてお客様の心を繋ぎ、感動を提供し続けます。
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